日本テンペ研究会H27 年度大会開催報告

(1)前夜祭

7 月17 日(金)に長野駅前の「食彩酒房 五臓六腑」という店で長野の郷土料理をいただきました。参加者は太田会長をはじめ、藤沢氏、野﨑氏、加藤氏、小清水氏、須見氏、東城氏、谷口氏の9 名でした。1 年ぶりの再会に話が盛り上がり、テンペ談義になりました。

(2)研究大会

平成27 年度7 月18 日(土)に長野市生涯教育センターにて、日本テンペ研究会H27 年度大会が開催されました。今年は同地におけるマラソン大会と日程が重なり宿が取れなかったこと、また当日は東海道新幹線の運転中止などでせっかく参加を予定して下さった方も参加できなかったりとご迷惑をおかけした大会でした。

午前中に役員会があり、9 名出席、委任状2 名により19 名中の過半数により、H27 年度事業計画として、「テンペ食べ方ノート応用編」の発行、日本テンペ研究会誌Vol.11」の発行が承認されました。
研究大会は、29 名の参加者のもと、太田会長の挨拶に始まりました。

特別講演1 は信州大学工学部の松澤恒友氏に「“長寿日本一”長野県産素材による健康で美味しい「ながのブランド」を創出」についてお話しいただきました。「ながのブランド郷土食」の創出は商品開発だけでなく、人材養成プログラムの立ち上げから始まり、大学院の学生だけでなく食品関連企業の技術者のスキルアップを図るものです。また修了生の「ながの食品加工マイスター倶楽部」への支援も行っています。長野県産豚肉とリンゴのコラボしたリンゴソーセージ、信大きのこカレー、丸ごとリンゴジャム等さまざまなながのブランドを開発されています。最近は話題になった「えのき氷」の効用や応用商品も紹介していただきました。商品として売り出すためには、開発だけではだめで産学連携の組織も大切だと気付かされました。人材養成からなさっていることに驚きました。

特別講演2 では、マルコメ(株)顧問であり信州大学地域共同研究センター客員教授の一条載好氏に「信州味噌の話あれこれ」のお話をしていただきました。味噌の機能性から防腐力、乳酸菌の抗アレルギーの話、マーケティングに女子力を活用し、麹美人の名のもとに生塩麹が開発の第1 号だそうです。

研究発表では、①須見洋行氏(倉敷芸術科学大学生命科学部生命科学)「世界のチーズおよびテンペのポリアミン含量」、②東城博雅氏(大阪大学医学系研究科医科学)「テンペ脂質のリピドミクス解析」③野﨑信行氏(岡山県工業技術センター)「テンペ味噌の製造と特性」の3 題の発表がありました。

フリートーキングでは、今野宏氏(秋田今野商店)と野﨑氏(岡山県工業技術センター)に最新の話題を提供していただきました。今野氏は「人類の飢餓を救うカビ」と題して土壌病原菌の代表で病原性の
ないフザリウム」は培養すると菌体内に良質のたんぱく質を豊富に作り、飼料や食糧生産に活用できる可能性を持っていると話されました。

野﨑氏は、H27 年1 月にNHK 総合テレビ「ゆうどき」の小泉武夫の発酵漫遊記のコーナーでJA 岡山女性部今っ娘テンペ加工所が取材された時のビデオを紹介されました。

 

(2)総会

総会出席者は18 名で、小清水氏司会のもと、太田会長を議長として、H27 年度の事業報告ならびに会計報告があり、H28 年度の事業計画および予算案の説明がなされ、承認されました。

 

(3)展示

日本テンペ研究会の25 周年の歩み、研究会誌のプログラム、歴代会長の写真が紹介されました。またテンペのトピックスが掲載された新聞記事が展示されました。出展者は秋田今野商店、プランニング・エメ、岡山県立高松農業高校、岡山テンペ教会、テンペストフードの5 企業でした。